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ほぼ酔っ払いの備忘録

通り雨

私の住んでいるアパートはちょっとした高台の上にある。どこか遠くの方からダダダダダダという不自然な音が聞こえた。いつも聞こえる車やバイクの音とは少し違った音に思え網戸の向こう側に耳を覚ますと雨の音のようだ。遠くで強い雨が降っているらしい。ダイニングテーブルに戻り梅酒作りを再開すると遠くから聞こえていた音が次第に大きくなり雨樋から水が流れる音が聞こえ始めた。強い圧力でベランダに雨が打ち付けられる。遠くで雨の音がし始めたあのとき洗濯物を取り込んでおくべきだったなと後悔したがすでに雨に濡れてしまったので放置した。息が詰まりそうな雨音に圧倒され窓を閉める。少し経ったあと気づくと雨音は弱まり窓を開けると雨は上がっていた。あの雨はきっと今もどこかで誰かの心を惑わせていることだろう。